野辺の送り

室町時代という乱世の只中で蓮如という人は

「必ず弥陀如来は救いましますべし(御文)」

と言われました。

この言葉は当時の生きる意味を失った人々に

大いなる勇気を与えました。

「必ず救う」ということは「必ず道がある」ということであり

「絶望はない」というのでしょう。


考えてみれば、人は病気やつらい出来事で

絶望するのではありません。

病気になるはずがない、無事で当たり前という

「老病死」の道理に暗い生き方が、

現実に出会ったとき絶望するのです。

その証拠に現にいろんな目にあっても

イキイキと頑張って生きている方は

たくさんおられるではありませんか。

その現実と道理に気づく時、

行き詰るのは人生ではなく、私の思いであったと教えられます。

念仏はそんな私たちに対するメッセージなのです。

ー野辺の送りー花水木
能邨勇樹